雛鍔ひなつば
別題: お太刀の鰐
銭を知らない若様に感心した植木屋が、自分の子と引き比べる話。
あらすじ
大名屋敷に出入りする植木屋が庭仕事をしていたところ、そこで遊んでいた八歳の若様が一文銭を拾い、これは何だろうと考えたすえに「おひなさまの太刀の鍔であろう」と言いました。
これを聞いた植木屋は、さすが大名の若様は銭など御存知ないものだとすっかり感心し、家へ帰って同じ八歳になる自分のせがれと引き比べ、大変な違いだと嘆息します。
そこへせがれが銭をくれとせがんできたので、植木屋は大名屋敷での一件を話して聞かせます。話しているうちに、せがれはどこかへ行ってしまいました。
出入り先の番頭が訪ねて来て植木屋と話し込んでいると、せがれが一文銭を拾って帰って来て言いました。「こんなものひろった。おひなさまの刀の鍔かなあ」
番頭はすっかり感心し「よく育てたなあ」と褒めます。得意になった植木屋が「坊や、そんなものは捨ててしまいな」と言うと、せがれはこう答えました。
「いやだよ。これで焼きイモを買うんだ」
成立と背景
上方では「お太刀の鍔」の題で演じられます。安永二年に江戸で出た笑話集「飛談語」の「小粒」という一編に着想を得てつくられたとみられています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

