初音の鼓はつねのつづみ
別題: ぼんこん
狐が乗り移ると触れ込んだ鼓を売りつけた道具屋が、代金を減らされる話。
あらすじ
骨董好きの殿様は、由来のはっきりしない品ばかりを集めるのが好きでした。道具屋の金兵衛はこれにつけこんで一計を案じます。
金兵衛は「これを打つと、そこにいるものに狐が乗り移って『コン』と鳴きます」と言って、初音の鼓を売り込みました。殿様が半信半疑で打ってみせると、すかさず金兵衛が『コン』と声をまねてみせました。
商談成立で百両の約束を取りつけた金兵衛は、次の間へ下がると家来の三太夫をつかまえ、殿様が鼓を鳴らすたびに『コン』と声を合わせてほしいと持ちかけ、一声一両で引き受けさせました。
殿様がポクポクポクと打つと、三太夫がコンコンコンと鳴きます。殿様は「金兵衛、そのほうが打ってみせなければ代金は渡せぬ」と言い出しました。
しぶしぶ金兵衛が自分で鼓を打つと、殿様はまじめな顔で言いました。「コン……うむ、これぞ本物の品じゃ。さあ金兵衛、代金を受け取れ」
金兵衛が包みを開けると、一両しか入っていません。「お包みには一両しかございませんが」と言うと、殿様が答えました。「予と三太夫が鳴いた分は差し引いてある」
成立と背景
このほかに、別の演目「継信」も別名を「初音の鼓」といい、同じ題で呼ばれることがあります。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

