羽織の幇間はおりのたいこ
別題: 裏の裏、乞食茶屋、旦那の羽織、花見の肘間
作り話をした幇間のところへ、旦那の仕掛けた女が名乗り出る話。
あらすじ
幇間の半八が酒宴ででまかせの身の上話を語ります。神戸で暮らしていたころに芸者と深い仲になって所帯を持ち、子まで生まれたのに、よそに女ができて追い出される羽目になり、金の始末を女房に押しつけたまま逃げてきた、という作り話でした。
話を聞いていた旦那は一計を案じ、通りがかりの女乞食にいくらかの金を渡し、半八の作り話をそっくり覚え込ませました。
数日後、赤ん坊を背負った女乞食が茶屋に姿を見せ、半八の胸ぐらをつかんで詰め寄ります。「よくも私を神戸に置き去りにしましたね」
半八は驚いて「そんな女は存じません」と言い張りますが、旦那が「そんな不実な男はひいきにできない、持ち合わせがなければ羽織でも渡してやれ」と割って入ります。半八はやむなく羽織を脱いで女乞食に渡し、帰らせました。
あとで旦那が事情を明かすと、半八は悪びれもせず答えました。「そんなことだろうと思いましたから、旦那様の羽織を差し上げておきました」
成立と背景
上方に伝わる噺で、上方では「乞食茶屋」の名でも演じられています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

