落語の演目

はなむけはなむけ

滑稽噺按摩女房

けちな兄から餞別を取ろうとした弟が、句のやりとりで返される話。

あらすじ

気性がまるで違う兄弟がありました。兄は一度つかんだ金は離さないというケチな性分で、弟のほうは手に入った金をすぐに使ってしまうので、いつも暮らしに困っていました。

みそかになって家賃も払えず、女房にせっつかれた弟が、一計を案じて兄のところへ出かけます。二、三年前に兄が旅に出た際、五円の餞別をもらったことがあったので、自分も旅に出ると告げれば、いくらか餞別をくれるだろうという魂胆でした。

ところが「あす発ちます」とあいさつをしても、兄は「ああ、行っといで」と言うだけで、いっこうに心を動かされません。

しかたなく帰ろうと立ち上がったとたん、弟はプイとおならをしてしまいます。兄が「なんだお前、行きしなにくさいじゃないか」と言うと、弟は答えました。「兄さん、これで一句浮かびました。旅立ちにおならひとつが置きみやげ」

兄が返します。「そのあとをおれがつけてやろう。あまりくささに鼻も向けず」

成立と背景

あまり演じ手のない噺で、その昔、小円朝が二代目金馬から教わり、たまに高座にかけていました。金馬の演出ではこのあとに続きがあり、見かねた人が兄に掛け合いに行くものの、「死ねば身代は他人のものになるのだから同じことだ」とはねつけられる、という落ちになります。

原話は安永四年に出た「いちのもり」に収められている「餞別」とされています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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