落語の演目

鼻利き長兵衛はなききちょうべえ

滑稽噺上方落語が原話

別題: 嗅昴長兵衛

隠れて飲んでいる連中を、鼻の利く男が嗅ぎつけて押しかける話。

あらすじ

十里四方なら何でも嗅ぎ当てるという鼻を持つ鼻利き長兵衛という男がいましたが、余計な世話ばかり焼くので町内の嫌われ者になっていました。

あるとき、町内の者が四、五人で集まり、長兵衛のいないところで一杯やろうと、王子まで出かけて呑気に飲んでいました。

長兵衛はその気配を嗅ぎつけ、はるばる王子まで追いかけてきましたが、出てきた女中に「そのような方はいらっしゃいません」とすげなく断られました。

そこで長兵衛は一計を案じ、仲間うちの甚兵衛という女房孝行の男の女房が井戸端で転んで急に産気づき、血が上って死んでしまったと知らせに来たと告げます。

驚いた一同は、長兵衛を呼んでくわしい話を聞こうと座敷に通しました。実はうそだとわかり、皆ほっと胸をなでおろします。

「いま田楽を頼んである。『ん』の字を一つ言うたびに、一本食べさせてやろう」と言われた長兵衛は、火事の話をしながら「ジャン、ジャンジャン」と半鐘の真似を続けました。

「いつまでやっているんだ」と聞かれた長兵衛が答えました。「田楽が焼けてくるまで」

成立と背景

上方に生まれた噺です。もとのサゲは、長兵衛が「焼きハマグリのにおいがする」と言い出し、料理場をのぞくと女中が火鉢で体をあぶっていた、というものでした。

「田楽が焼けてくるまで」の結び方は、別の演目「寄合酒」から取り入れられたものとみられます。原話は寛永十三年に出た「きのふはけふの物語」に載っています。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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