鼻ほしいはなほしい
別題: 島がほしい
鼻を失った浪人が湯治に出かけ、道中で狂歌を詠む話。
あらすじ
手習いの師匠をしている浪人が、病気のせいで鼻を失ってしまい、話す声もフニャフニャと鼻に抜けるようになりました。
恥ずかしがってあまり人前にも出ず、家に引きこもってばかりいるので、心配した妻が湯治に行くようすすめます。浪人もその気になり、こっそり江戸を発ちました。
道中で馬に乗ると、馬子の頭がはげているのに目をとめ、浪人は狂歌でからかいます。「はげ山の前に鳥居はなけれども、後ろに髪が一寸とまします」
馬子も負けじと狂歌でやり返しました。「山々に名所古跡は多けれど、鼻のないのがさびしかるらん」
からかい返された浪人は腹を立てて馬を下り、しおしおと江戸へ帰りました。この話を聞いた妻は血相を変え、なぎなたを手に飛び出そうとします。亭主への仕返しに行くつもりだと知り、浪人はあわてて止めました。「待て待て」
妻が言いました。「口惜しゅうございます」「ああ、そなたは口惜しいか。おれは鼻ほしい」
成立と背景
原話は享保十三年に京都で出た書物に収められている「油断強敵」とされています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
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- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

