羽衣はごろも
別題: 三保の松原
羽衣を隠した漁師に、天人が女房になると持ちかけて出し抜く話。
あらすじ
三保の松原に舞い降りて遊んでいた天人のもとへ、通りかかった漁師の伯良が近づきます。脱いで置いてあった羽衣に目をつけて持ち去ろうとしたところ、浜からの風で天人の肌があらわになるのを見て、心を乱されてしまいました。
天人は「言うことを聞かないわけではないが、情人になるのはいやだよ。女房にしてくれるならいいけれど」と持ちかけます。伯良が半信半疑でいると、天人は「嫁に行くあいさつに羽衣がいるから返しておくれ」と言い出しました。
「そう言って羽衣を持って逃げるつもりだろう」と疑う伯良に、天人は「うそをつくものかね。ほんとうにおまえの女房になるよ」と言い切ります。その勢いに押された伯良は、天人の背中に羽衣をかけてやりました。
とたんに天人は浜風に乗って空へ舞い上がってしまいます。あわてた伯良は「天人さん、さっき言ったことはどうなったんだ」と叫びました。
天人は雲の中から顔をのぞかせて答えました。「みんな空っことだ」
成立と背景
演芸雑誌「百花園」に載った円喬の速記は「三保の松原」という題でした。上方に伝わる「久米仙」も同じ落ちで演じられます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

