後家馬子ごけまご
馬子を情夫にした後家と、耐える娘のやりとりを描く話。
あらすじ
後家のお熊は、馬子の五兵衛を情夫にしていて、そのことから娘のお菊につらく当たっていました。お菊はそれでもじっと我慢を重ね、母の言いつけには逆らわずに従っていました。
ある日、お菊が風呂に入った五兵衛の背中を流していると、「ああ、おとっつぁんが生きていたら、こんな馬子の背中を流さなくてもすむものを」と涙がこぼれます。とはいえ母に意見したところで聞き入れられるはずもありません。
お菊は神仏の力で母を改心させようと、井戸端で頭から水をかぶり「どうか母が改心して、馬子の五兵衛と縁が切れますように」と祈りました。ところがあいにく、その声を五兵衛に聞きつけられてしまいます。
怒った五兵衛はお菊を追いかけ、逃げ場を失ったお菊は川へ身を投げてしまいました。五兵衛とお熊は、邪魔者がいなくなってさばさばしたと話していましたが、そこへ伯父がやってきて意見をします。伯父は夜網に出ていてお菊を助けていたのでした。
それでも意見されたお熊は、五兵衛を思い切れないと言い張ります。伯父が「なにか、自分の子より馬方がかわいいのか」とたずねると、お熊はこう答えました。「はい、五兵衛さんは馬子ですもの」
成立と背景
上方に古くから伝わる噺で、二代目林家菊丸の作といわれています。馬子と孫という同じ読み方をする言葉を掛け合わせたしゃれが、この噺全体を締めくくる眼目になっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

