落語の演目

後家殺しごけごろし

滑稽噺上方落語が原話義太夫殺し

作り話を真に受けて後家を殺した男が、白洲で義太夫を語る話。

あらすじ

常吉という腕のいい職人は、義太夫を語るのがことのほか巧みで、それが評判を呼んだのがきっかけとなり、伊勢屋の後家といつしかいい仲になっていました。二人の仲を知る者も次第に増えていきました。

これをやっかんだ友だちが、からかい半分に「後家はこのごろ心変わりして、ほかに新しい情夫ができたらしい」とでたらめを言います。常吉はこれを真に受け、思いつめて後家を殺してしまいました。

召し捕られた常吉は打ち首と決まります。奉行が「なにか言い残したいことはないか」と尋ねると、常吉は「はい、ありがとうございます。私の心残りというはたったひとつ……」と答え、そのまま義太夫の節にのせて語り始めました。

常吉が声を張り上げて「あとに残りし女房子が……」と語ってみせると、聞いていた奉行は思わずひざをたたいてすっかり感じ入り、こう叫んだのでした。「うまいっ、後家殺し」

成立と背景

「後家殺し」とは、上方の寄席で義太夫を聞いた客が、その語りのあまりのうまさに感心して思わずかける、独特の褒め言葉としての掛け声のことをいいます。芸への感嘆をそのまま言葉にしたものです。

もとは上方に生まれた噺で、当時の円生がまだ橘家円蔵という名を名乗っていた若いころに、大阪から東京へこの噺を持ち込んで移したのだと伝わっています。以来、東京の高座でも演じられるようになりました。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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