五十五銭ごじゅうごせん
別題: 五銭五厘
数を指で覚えた小僧が、両手がふさがって困ると言い出す話。
あらすじ
ある店の番頭が小僧に、得意先まで五十五銭を集金してくるよう言いつけました。ところがこの小僧は頭の回転が鈍く、五十五銭という金額をどうしても覚えられません。番頭もほとほと手を焼きます。
そこで番頭は、右手の指を五本折って五十銭、左手の指で五銭と数えさせる覚え方を教えました。小僧は勢いよく出かけますが、すぐに戻ってきて、二銭か二十銭ほどまけてやってくれと言い出します。
番頭がすっかり怒って「なんのためにまけてやれというのだ」と問いただすと、小僧は困った顔でこう答えました。「どっちか負けてやらないと、向こうへ行って戸が開けられません」
成立と背景
原話は、安永二年に江戸で出た笑話本「聞上手」に収められている「五匁五分」という話です。金額を五銭五厘や五匁五分に変えても、まったく同じ仕掛けで演じることができます。
桂松光が書き残したネタ帳「風流昔噺」(万延二年)にも、これと同じ型の噺についての記載が見つかっていて、古くからある型だということがわかります。江戸時代からの息の長い噺だといえます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

