落語の演目

ふたなりふたなり

滑稽噺奉公人

別題: 書薗違い、亀右衛門

夜道で身重の娘を助けた男が、思わぬ疑いをかけられる話。

あらすじ

世話好きの亀右衛門のところへ、村の若い者が二人訪ねてきました。先立つ金の都合がつかないため、このままでは村にいづらいと二人は打ち明けます。

亀右衛門は隣村へ金を借りに、夜道をひとり出かけます。途中の暗い森にさしかかると、身重の若い娘が泣いているのに出くわしました。

娘は、奉公先で深い仲になった相手にも去られ、この体では実家にも帰れないと死ぬつもりだと打ち明けます。持っている金を預けるから死なせてほしいと頼まれ、金があるなら借りに行く必要もないと、亀右衛門は死ぬ手伝いを始めてしまいました。

木の枝に紐をかけ、首のくくり方を教えているうちに、あやまって亀右衛門のほうが死んでしまいます。急に死にたくなくなった娘は、書き置きを亀右衛門のふところに入れて逃げ出しました。

亀右衛門が戻らないのを案じた二人の若者があとを追い、変わり果てた姿を見つけて村に知らせます。検視の役人がふところの書き置きを読むと「深い仲になった人があり、八カ月の身重になった」と記されていました。

役人は「亀右衛門は男だろうな。うむ、わかった、世に言うふたなり、男と女の両性を持つ者であろう」と言いました。すると誰かが答えました。「いえ、昨晩着たなりでございます」

成立と背景

亀右衛門の職業を猟師に変えて演じる型が東京では主流で、「男子か女子か」「いえ、りょうしでございます」という洒落のサゲになります。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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