胴取りどうとり
首を切られたのに気づかない男が、そのまま用を足しに行こうとする話。
あらすじ
博打で身ぐるみはがれて裸にされた男が、寒風に吹かれながら帰る途中、江戸に来たばかりの勤番侍に道を尋ねられました。虫の居所が悪かったのか悪態をついたところ、その場で首を斬られてしまいます。
あまりに鮮やかに斬られたため、男は斬られたことに気づかないまま歩き続けていました。やがて首のあたりから息が漏れはじめ、ふと下を向いた拍子に首が落ちてしまいます。
胴体だけはそのままずんずん先に歩いて行ってしまい、橋を渡った先でとうとう倒れてしまいました。あとに残された首は、その場でひとりぼやいています。
そこへ友だちの熊が上機嫌で通りかかり、わけを聞いて声をかけました。軽口をたたき合ううち、首は熊に「すまねえが、そのうち十両ばかり貸してくれ」と頼みます。
熊が「そりゃ貸してやってもいいが、首だけでお前、その金をどうしようてんだ」と尋ねると、首はこう答えました。「向うへ胴取りに行くんだ」
成立と背景
前半は「首提灯」と同じ趣向です。東京へは三代目三遊亭円馬が伝えたとされる大阪種の噺で、のちに三遊亭小円朝がまれに演じました。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

