落語の演目

土橋万歳どばしまんざい

滑稽噺若旦那小僧

座敷牢を抜け出した若旦那の一件が、家じゅうを巻き込む話。

あらすじ

道楽が過ぎて座敷牢に入れられた若旦那が、見張り役の小僧定吉に小遣いを渡し、こっそりお茶屋遊びに出かけます。ほうきに布団をかぶせ、寝ているように見せかけておきました。

番頭の供をして近所の葬式へ出向いていた定吉は、見張り役を小僧の亀吉に代わってもらっていましたが、「今ごろはきっと逃げ出しているだろう」とうっかり口を滑らせ、番頭に若旦那の不在を勘づかれてしまいます。

番頭は一人でお茶屋に乗り込み、若旦那に帰るよう説得しますが、言い争いになったはずみに番頭が階段から転げ落ち、若旦那はその隙に飲み直そうと外へ出ます。

土橋まで来ると、手ぬぐいで顔を隠し刀を差した男に呼び止められ、茶屋通いはやめろと説教されます。よく見るとこれが番頭で、もみ合ううちに若旦那は切り殺されてしまいます。

そこで目が覚め、これまでのことはすべて夢だったとわかります。若旦那は離れ座敷で、番頭も帳場で、それぞれ同じ夢を見ていました。

若旦那が道楽をすっかりやめると約束すると番頭は喜びますが、「本当に主殺しをしていたら重罪で死刑になるところだった」と話しているうち、そばにいた定吉が泣き出します。

わけを尋ねると、定吉はこう答えました。「重罪で死刑だったら、うちのおとっつあんはどうなるか心配で」「では、おまえのおとっつあんは」「へえ、大和の万歳だす」

成立と背景

大阪の商家では、大和の人間は辛抱強いとして奉公人に好んで雇われていました。大和は三河や尾張と同じく、正月に家々を回る万歳という芸能の担い手を多く出した土地で、サゲは重罪と万歳の語呂を掛けたものです。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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