提灯屋ちょうちんや
どんな紋でも描くと触れた提灯屋に、町内が難題の紋を持ち込む話。
あらすじ
新しく店を開いた提灯屋が、開店祝いとして七日間、どんな紋でも無代で書き入れると触れを出しました。もし描けない紋があれば、望みの提灯をただで進呈するとも言い添えます。
これを聞いた町内の若い衆が、次々と難しい紋を持ち込みます。ある者は″剣かたばみ″を「鍾馗様が大蛇を胴切りにした紋」だといい、また別の者は″りんどうくずし″を「仏壇が地震にあった形」だといい、そのたびに提灯屋の主人は無代で提灯を渡すはめになりました。
こうしてただで提灯を持ち帰る者が続くので、提灯屋の主人はしだいに機嫌が悪くなっていきました。これを聞いた隠居が、若い衆の埋め合わせをしようと、まっとうな用向きで提灯を買いに出かけます。
隠居が″丸に柏″の紋を頼むと、主人はまたただでせしめに来た客だと思い込み、いきり立っていたところだったので、こう答えてしまいました。「丸に柏? あ、わかった。すっぽんに鶏だろう」
成立と背景
上方では、すっぽんを丸、にわとりをかしわと呼ぶことから生まれた洒落です。この呼び方を知らないと、サゲの意味が伝わりにくくなっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

