落語の演目

武士の情ぶしのなさけ

滑稽噺武士親子

侍の紋につばを掛けてしまった床屋が、詫びに追いすがる話。

あらすじ

黒羽二重に仙台平の袴、雪駄履きという立派な身なりの侍が、床屋の前を通りかかりました。ちょうどそのとき、床屋の主人がたんを吐いてしまいます。

運悪くそれが侍の紋どころにべったりとつき、侍は表情も変えずに自分でぬぐって立ち去りました。

あとで気づいた床屋は真っ青になり、客をほうり出して侍のあとを追いかけ、地面にひれ伏して詫びます。

侍は「わたしではない、人違いだ。粗忽な奴め、以後気をつけろ」と言い、扇で床屋の頭を軽くたたいて立ち去りました。

手打ちにされても仕方のないほどの粗相をしてしまった床屋は、泣きながら侍が去った方角をいつまでも拝み続けました。

とんだとばっちりを受けたのは床屋に置き去りにされた客のほうで、親方が戻らないので、結い上げかけのまげのまま半日も座らされていました。

成立と背景

品川の圓蔵が、高座を短く演じるときのまくらばなしとして使っていました。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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