陽成院ようぜいいん
別題: 筑波嶺
百人一首の歌を、相撲の取組に見立てて説く話。
あらすじ
金さんが横町の先生に、百人一首にある陽成院の歌の意味を尋ねました。「筑波嶺のみねより落つる男女の川、恋ぞつもりて淵となりぬる」という歌です。
先生は珍解釈を披露します。京都の陽成院という寺の前で相撲があり、筑波嶺という力士と男女の川という力士が対戦しました。筑波嶺が投げると、男女の川は山の外までほうり出されます。
見物人がわっと声を上げたのが天皇の耳にはいり、筑波嶺は永代扶持を賜りました。「声ぞつもりて扶持となりぬる」というわけです。
最後の「ぬる」の意味を尋ねられた先生は、こう説明しました。「扶持をもらった筑波嶺が、おかみさんや娘に洛中洛外の小町紅を買ってきて、べたべた塗ったから『なりぬる』だ」
成立と背景
「千早ふる」と同じ趣向の噺で、以前は「千早ふる」の前につけて演じていました。
陽成院の歌の珍解釈は『甲子夜話』にも載っていますが、内容はかなり異なり、つく羽根という木の実が男女の川を流れ、鯉が浮いて水面にたまり、斑に見えたというものです。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

