落語の演目

つづらつづら

滑稽噺借金女房

別題: つづらの間男、成田の間男

借金の穴埋めに身をまかせた女房と、隠れて見ていた亭主の話。

あらすじ

博打に手を出して大きな借金をこしらえた男が、金策のあてもなく成田へ出かけようとしていました。出がけに長屋のおかみさんから「おまえさんのおかみさんは間男をしている」と告げられ、びっくりして成田行きを取りやめ、夜になるのを待って家へ引き返します。

一方、女房は夫の借金を埋め合わせるため、独り身の質屋の旦那と深い仲になっていました。この日も、亭主が成田へ出かけて戻らないと思い込み、質屋の旦那を迎え入れていたところへ、亭主が予定より早く帰ってきて表の戸をドンドンとたたきます。

女房はあわてて、質屋の旦那をつづらの中に隠しました。見慣れない下駄が置いてあることから女房を怪しんだ亭主は、つづらを開けようとします。

女房は必死になって、「借金取りが近ごろ来なくなったのも、このつづらのおかげだから、どうか開けないでください」と言い張って引き止めます。

亭主は「よし、わかった」と言うと、つづらにこよりで封をし、そのままかついで質屋へ向かいます。女房はあわてて止めようとしましたが、突き飛ばされてしまいました。

質屋へつづらをかつぎ込んだ亭主は、番頭に「この中を見ないで百両貸してくれ」と持ちかけます。番頭は驚き、旦那が留守だからと断ろうとしましたが、そこへ女房が駆け込んできて、こっそりわけを話しました。

事情を知った番頭は、大きくうなずいて百両を用立てました。金を受け取った亭主は、念を押すようにこう言います。「流さないようにしろよ」

番頭はこう答えました。「へえ、利上げをしておきます」

成立と背景

戦時中に禁演落語のひとつとなった演目です。サゲは、亭主と番頭の言うことがすれ違ったまま話がかみ合っているところが仕掛けになっています。八代目桂文治から金原亭馬生に伝わっています。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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