天狗刺してんぐさし
天狗を捕まえて売ろうとした男が、鞍馬山で坊主に出くわす話。
あらすじ
少し足りない男が、うまい金もうけを思いついたと言います。何かと尋ねると、すき焼きにして売るために天狗を生け捕りにするつもりだというのです。
天狗はどこにいるのかと尋ねられ、鞍馬の山奥ならまだ一羽くらいいるかもしれないと呆れ顔の相手が答えると、男は青竹ととりもちを手に天狗捕りに出かけました。
鞍馬山の奥の院で夜通し待っていると、明け方に坊主が現れ、風で衣がヒラヒラと舞います。男はこれを天狗だと思い込み、両手両足をしばって担ぎ、山を下りました。
その途中、大きな青竹を何本もかかえた男が向こうからやってきます。男は「もう商売がたきが現われた。おまえも鞍馬の天狗刺しか」と声をかけました。
すると相手はこう言いました。「いや、わしは五条の念仏刺しじゃ」
成立と背景
念仏差しとは、京都の五条あたりで売られていた物差しの別名です。念仏宗の本山近くの竹で作ったからとも、尼が念仏を唱えながら作ったからともいわれています。
この噺は、上方では桂米朝が、東京では桂小南が、それぞれ十八番として高座にかけています。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

