たばこ好きたばこずき
別題: たばこ道成寺、たばこの競争
諸国のたばこを次々に勧められた男が、いつまでも一服できない話。
あらすじ
たばこ好きの男が、六郷の渡し付近の松並木で、大きな自慢のキセルを使って一服していました。
そこへ、同じくたばこ好きな男が現れます。背負った箱から次々とキセルを取り出し、日本中のたばこがそろっているからと勧めてきました。
男は勧められるまま、甲州や野州など産地の名を聞きながら一本ずつ吸っていきますが、あまりの数の多さに、とうとう根を上げてしまいます。
逃げ出して渡し船に飛び乗りましたが、箱を背負った男は追いかけて来て、なおも勧めようとします。困った男は一軒の寺に駆け込み、和尚にかくまってもらいました。
追っ手をやり過ごしてもらい、戸棚から出て来た男は、ひと安心してこう言いました。「あぶなくたばこで命を捨てるところを、おかげさまで助かりました。落ちついたところで、まず一服」
成立と背景
三代目柳家小さんが得意にした演目で、上方では「たばこ道成寺」と呼ばれます。原話は安永五年に大阪で刊行された『立春噺大集』所収の「好の論」で、快楽亭ブラックが演じたものはまったく別の新作だったといいます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

