落語の演目

正直清兵衛しょうじきせいべえ

滑稽噺拾い物身売り

落とした金を拾われて知らぬと言われた正直者の、その後をたどる因縁噺。

あらすじ

本所林町一丁目で青物を商う清兵衛という男は、たいへんな正直者として知られ、近所では正直清兵衛と呼ばれていました。

ある雪の晩、居酒屋の杉酒屋で晩酌を楽しんで帰る途中、清兵衛は店の前で財布を落としてしまいました。中には、娘が吉原へ身売りしてこしらえてくれた十五両が入っていました。

財布を拾ったのは居酒屋の主人忠兵衛夫婦でしたが、探しに来た清兵衛に対して知らないとうそをつきます。清兵衛は奉行所に紛失届けを出すと言って帰っていきました。

忠兵衛夫婦には、以前預かった金を預かっていないと言い張り、その相手を死なせてしまった前科がありました。奉行所に届けられれば昔の悪事まで露見すると恐れた二人は、清兵衛を殺そうと決めます。

忠兵衛夫婦はすぐに清兵衛のあとを追いかけ、金が見つかったと言って安心させておいてから、出刃包丁で刺し殺してしまいました。

その月に忠兵衛の女房おそのが身ごもり、生まれたのは清兵衛にそっくりな男の子でした。忠兵衛夫婦はわが子を手にかけることができずに育てますが、この子はのちに成人し、忠兵衛夫婦を手にかけることになります。

成立と背景

天保年間に生まれた怪談で、雑誌文芸倶楽部の明治四十年号に、林家正蔵による速記が載っています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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