死人覚え帳しにんおぼえちょう
別題: 死人大入帳
字が生きていると言われて怒った坊主が、一言で買う気になる話。
あらすじ
ある坊主が紙屋に死人を記録する帳面をあつらえ、店の主人に表紙の文字を書かせました。そばで見ていた男がその筆づかいに感心し、「字がまるで生きているようだ」と口にします。
これを聞いた坊主は顔色を変え、生きているとは縁起でもない、この帳面は買わずに帰るといい出しました。主人はほかに使い道のない帳面だからと、なんとか買ってもらおうと引き止めます。
坊主は、いましがたあの人が字が生きているといった、死人を記す帳面に生きたものがあっては困る、だから買わないのだと言い張ります。
すると先ほどの男が「生きているから生きているといったのだ。ぐずぐずいうとぶち殺すぞ」と怒鳴ると、坊主は「おお、そのぶち殺すという一言で買っておく」と応じました。
成立と背景
東西で演じられる話で、上方では「死人大入帳」という題で呼ばれています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

