石塔陰門せきとうぼぼ
別題: 墓陰門
墓前の供え物を、住職が自分のものだと言い張るバレ噺。
あらすじ
貧しい夫婦がいましたが、亭主がふとした病がもとで世を去ってしまいました。女房は毎日欠かさず墓参りを続けていましたが、あまりに貧しく、線香を買うこともできません。
十日目、墓の前で涙を流した女房は「今まで線香も上げられずにごめんなさい。そのかわり十日分まとめて」と着物の前をまくり上げ、「線香の十倍のものをあげますよ」と言いました。
その様子を見ていた寺の住職が、女房を本堂の奥へ連れ込み、手を出そうとします。驚いた女房が「なにをなさいますか」と問うと、住職はこう答えました。「仏にあげたものは坊主のものだ」
成立と背景
この噺は上下二つに分かれており、多くの場合は女房の「線香の十倍のものをあげるよ」という一言のところで切り上げて演じられます。上方のサゲは「百カ日すんだら寺へ納めてください」で、別名を「墓陰門」ともいいます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

