落語の演目

猿丸さるまる

滑稽噺和尚

別題: 猿丸太夫、道中の馬子

宗匠を気取った旅人が、馬子の詠んだ句に舌を巻く話。

あらすじ

善光寺参りのため江戸を発ち、中山道を進む一人の旅人が、馬に乗って山道にさしかかりました。馬子が発句をたしなむと聞いた旅人は、自分は江戸の宗匠だとほらを吹き、「山家」という題で「くちなしや鼻から下はすぐにあご」などという珍妙な句を詠んでみせます。

馬子が汚れた手ぬぐいで頬かむりをしようとしているのを見て、旅人は新しい手ぬぐいを一本恵んでやりました。あたり一面は紅葉に染まっています。

馬子が「紅葉」という題でもう一句所望すると、旅人は「奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の声きくときぞ秋は悲しき」と詠み上げました。馬子は「なるほど大変な宗匠だ」とすっかり感心します。

向こうから来た仲間の馬子に「どうした。新しい手ぬぐいをかぶって、あまっ子にでももらったか」と聞かれ、馬子は答えました。「いや、馬の上の猿丸太夫にもらった」

成立と背景

もとは短い小咄だったものを、一席の噺にのばしたものです。原話は宝暦五年に京都で出た『口合恵宝袋』に収められている「高尾の歌」です。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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