落語の演目

佐野川若松さのがわわかまつ

滑稽噺和尚上方

若衆に起請を求めた僧が、押された判の正体を知る話。

あらすじ

高野山から来ていた一人の僧が、大阪に滞在していたころのことです。島之内の茶屋にたびたび通ううち、佐野川若松という若衆にすっかりのぼせ上がってしまいました。寺での稚児しか知らなかった僧は、紫の帽子をかぶって舞台に出る若松の姿に夢中になり、毎晩のように通いつめます。

やがて僧は高野山へ戻らねばならない時期を迎え、別れ際に若松へ、体の一部を紙に押し当てて誓いの証とする変わった起請文を書いてほしいと頼みました。

若松はお安い御用と、熊野の牛王宝印の裏に自分の尻を押し当てて判とし、それを僧に渡しました。僧は大喜びでこれを持ち帰り、高野山に戻ってからも若松のことが忘れられず、起請文を取り出しては「若松、若松」とつぶやいていました。

その様子を見つけた納所坊主が「御住持さま、それは若松ではございません」と言います。「これが若松でなくば、なんじゃ」と問う僧に、納所坊主は答えました。「はい、唐松でござります」

成立と背景

唐松は狩野派の絵師が描く松の図柄で、尻の形をした判に似ていたことから、若松と聞き違えられました。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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