三人兄弟さんにんきょうだい
易者・盗人・仕立屋になった三兄弟が、それぞれの腕で難題に応じる話。
あらすじ
ある大金持ちに、市太郎、仲蔵、末吉という三人の息子がありました。すでに成人していましたが、これといった稼ぎの道もなく過ごしています。
「財産を譲るには、何か身を立てる方法を身につけねばならない」と父親に言われた三人は、市太郎は易者を、仲蔵は盗人を、末吉は裁縫師を志し、それぞれ三年の期限を決めて修行に出ました。
三年が過ぎるころには、三人ともそれぞれの技を極めて故郷に戻ってきます。ちょうどそのころ、この国の王女が暴風雨の晩に姿を消すという事件が起こり、王は見つけ出した者に王女を妻として与えると布告しました。
三人はこの機会に日ごろの腕前を見せようと、力を合わせて王女の捜索に出ることにします。まず市太郎が持ち前の易で占うと、王女は南方三百マイルの島で大蛇に捕らえられていると出ました。
三人は船を仕立てて島へ向かい、仲蔵が盗みの技で王女を大蛇のもとから連れ出します。ところが帰り道で大嵐に遭い、船は座礁して船底が壊れてしまいました。これを末吉が針と糸で直し、無事に国へ帰り着きます。
三兄弟にはそれぞれ手柄があったため、王女を三つに分け、首を市太郎に、胴を仲蔵に、足を末吉に与えることになりました。市太郎と仲蔵は、そんなものを渡されても困るだけだと投げ捨ててしまいますが、それを拾い集めた末吉が、きれいに縫い直して、そのまま自分の嫁にもらいました。
成立と背景
明治三十八年の『文芸倶楽部』に、三遊亭円馬の口演として載っています。海外から聞いた話に手を加えたものだと、円馬自身がまくらで断っており、西洋の物語を翻案した噺と考えられます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

