六尺棒ろくしゃくぼう
締め出された若旦那と父親が、言葉をまねし合ううちに立場が入れ替わる話。
あらすじ
若旦那が吉原から明け方に帰り、こっそり家に入れてもらおうとします。ところがやかまし屋の父親が起きていて、わざと素知らぬふりをして言いました。「幸太郎のお友だちですか。あんなやくざなせがれは勘当しましたとおっしゃってください」
若旦那は「この家を他人に取られるくらいなら、火をつけて燃やしてしまいます」と言い出します。近所の手前ほうっておけない父親は、六尺棒を持って表へ出てきました。
若旦那が逃げ出したので父親が追いかけますが、若い者の足にはかないません。若旦那はぐるっと回って自分の家の前まで戻ると、表が開いていたのを幸いに中へ入り、心張り棒をかって戸を閉めてしまいました。
そこへ父親が戻ってきて、誰かが用心のために閉めてくれたのだろうと戸をたたきます。すると中から若旦那の声がしました。「幸右衛門のお友だちでございますか。しまいには身上をどんなに大きくするかわかりません。あんなおやじは勘当したとおっしゃってください」
さっき自分が言ったのとそっくりの真似をされた父親が、こう言い返しました。「そんなにまねがしたければ、六尺棒を持って追っかけて来い」
成立と背景
初代三遊亭遊三が得意の演目にしていました。上方でも演じられている噺です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

