落語の演目

ぬの字鼠ぬのじねずみ

滑稽噺真似して失敗小僧

別題: あかん堂、金閣寺、大黒の鼠

叱られて木に縛られた小僧が、芝居のまねで鼠に助けられる話。

あらすじ

寺の和尚が、小僧の珍念をひどく叱りつけました。前の日、客の喜兵衛が来ているときにカツオ節を削っているところを隠しもしなかったこと、その日の朝には門前の花屋で、自分はただの小僧ではなく本当は和尚の子だなどとしゃべっていたことが理由でした。

とうとうかんべんできないと言い渡し、和尚はいきり立ったまま、珍念を庭先に立つ松の木のところまで引きずって、縄できつく縛りつけてしまいました。

縛られた珍念は、金閣寺という芝居で雪姫が桜の木に縛られ、足でネズミの絵を描いて逃げ出す場面を思い出しました。ネズミの形は難しいので、代わりによく似た「ぬ」の字を地面に描いてみます。

すると、どこからか本物のネズミがちょろちょろと現れて、珍念を縛りつけていた縄のところまで来ると、そのまま食らいついてかじり切ってくれました。

これを見た和尚はこう言いました。「ネズミに助けられたか。あれはまったくだいこくに生ませた子だ」

成立と背景

僧の隠し妻である梵妻と、大黒天の使いとされるネズミとを重ね合わせたサゲになっています。雷舟にまつわる逸話が原話とみられ、六代目林家正蔵(本名今西久吉)が演じました。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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