京の茶漬きょうのちゃづけ
帰り際の茶漬けの誘いを、大阪の商人が本気で受けて上がり込む話。
あらすじ
京都には、客が帰り支度を整えたころに「お茶漬けを一膳召し上がっておいでなはれ」と勧める習わしがあります。本気にして上がり込む者はいない前提の社交辞令で、これを「京の茶漬け」と呼んでいます。
ある大阪の商人が京都での用事を終えて帰ろうとしたとき、持ち金をすべて荷物に入れて供の者に持たせてしまったことに気づき、昼飯を食べるあてがなくなってしまいました。
そこで思いついたのが、この「京の茶漬け」を逆手に取る一件です。知人の家を訪ねると、あいにく主人は留守で、戻るのを待つうちに昼どきになりました。
なぞかけなどをして時間をつぶしますが、家の主婦はなかなか食事を出そうとしません。あきらめて帰りかけると、ようやく声がかかりました。「お茶漬けを一膳召し上がっておいでやしたら」。商人はよばれることにします。
出された茶碗は半分ほどの量で、おかわりが欲しくても主婦は知らんふりをしています。商人は茶碗を差し出しました。「この茶碗はなんぼで買いなはったんや」
主婦は空の飯びつを見せながら答えました。「このおひつと一緒に買うたんどす」
成立と背景
原話は安永四年に出た『いちのもり』に収められている「会津」です。
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- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

