近日息子きんじつむすこ
「近日」の意味を覚えた息子が気を利かせすぎて、葬式の支度まで整える話。
あらすじ
芝居小屋に「近日開場」とあるのを見て、あすが初日だと思い込んで報告するほどぼんやりした息子がいました。父親に「近日とは近いうちにという意味だ」と教えられます。
父親は「おまえのように気の利かないやつに小言を言っていると、体の調子が悪くなってしまう」と息子をしかりました。
「体が悪くなってしまう」という言葉だけを聞いた息子は、気を利かせようと、勝手に医者を呼び、葬儀屋を頼み、長屋じゅうに父親が死んだと触れてまわってしまいます。
長屋の人たちがぞろぞろとお悔やみを言いに来たので、父親はびっくりします。表に「忌中」と貼り紙がしてあると聞かされ、馬鹿者めと息子をしかりつけました。
息子は悪びれずに言い返します。「でも長屋の連中もあまり利口じゃねえや。忌中のそばに近日と書いてあらあ」
成立と背景
桂春団治から桂三木助に伝わり、三木助の得意な演目になっていたといいます。
原話は安永三年に江戸で出た『茶のこもち』に収められている「忌中」です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

