落語の演目

戒名書きかいみょうかき

滑稽噺上方落語が原話和尚

難しい戒名を注文されて、書き手が次々に逃げ出す話。

あらすじ

彼岸のころになると、天王寺の境内には戒名書きが何人も並んで店を出し、道行く人に声をかけて客を呼び込みます。そこへやって来たひとりの男が、わざと意地悪な注文をつけました。

「ゴリガリマカラ瓶子」「マイマイチンシャン菫女」という戒名を書けと言い張り、俗名も長々しい肩書き付きの名を並べ立てて相手を困らせます。応対していた戒名書きは、たまらず「ちょっと小便に」と言って逃げ出してしまいました。

そこへ、もうひとり別の戒名書きがすかさず割り込んできて、この難しい戒名と俗名を涼しい顔のまま次々と書き上げてしまいました。かかった代金は八円五十銭だといいます。

男は「戒名などどこで書いてもらっても一銭のものを、たった三枚で八円五十銭とは法外だ」と食い下がります。すると戒名書きは「他の者には書けない品ですから、十円といいたいところをお負けして八円五十銭でいただきましょう」と平然と答えました。

すっかりやりこめられてしまった男は、さきほど自分が困らせた戒名書きとまったく同じせりふをそのまま残しながら、そそくさと逃げ出すほかありませんでした。「私も小便に」

成立と背景

上方の噺で、橘ノ円都が得意にして演じたと伝わります。円都はさらに大正の初めごろ、五代目笑福亭松鶴の義父にあたる林家正楽からこの噺を教わったのだと伝えられています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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