本堂建立ほんどうこんりゅう
托鉢僧に道楽話をさせた若い衆が、最後に一本取られる話。
あらすじ
町内の髪結い床の奥に、若い衆が集まって話をしていました。相撲がいいという者、芝居がいいという者と、話は尽きません。
そこへ本堂建立と書いた旗をかついだ托鉢坊主が通りかかったので、若い衆はからかい半分に呼び止め、坊主の若いころの道楽話をせがみました。
坊主は語り始めます。「最初は桧物茶屋におりまして、男の坊主に身請けされ、駒込の吉祥寺に預けられました。そこで八百屋の娘のお七に惚れられ、お七は吉三に会いたいばかりに我が家へ火をつけ、鈴ヶ森で火あぶりの刑になりました……」
話を聞いた若い衆が「坊さん、いま言ったことに一つも本当のことはないだろう」と突っ込むと、坊主はこう切り返しました。「いや、申しわけない。いままで言ったことはうそだが、この旗を持って表へ出れば、決してうそはつかない。ほんとうに本堂建立に歩きます」
成立と背景
「浮世床」につなげて演じることもできた噺です。八代目桂文治が得意としました。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

