落語の演目

五光ごこう

滑稽噺和尚

山中の一軒家で恐ろしい夜を過ごした旅人が、花札の絵柄で落ちる話。

あらすじ

ある旅商人が道に迷ってしまい、日暮れどきに辻堂で祈っている坊主と行き会いました。無言の行をしているのか返事がないので、そのまま先へ進むと、谷間に一軒家を見つけます。

気の触れた娘がいるからと宿を断られますが、無理を言って泊めてもらいました。夜中に娘が起き上がり、異様な声を上げて暴れ出します。そのそばには、日暮れに会ったはずの坊主が座っていました。

夜が明けるのを待って旅商人は飛び出します。辻堂まで戻ると、坊主が鉦をたたいていました。「出家の身でなぜ娘に執着する。娘は死んでしまった」と声をかけると、坊主はたちまち白骨になってしまいます。

恐ろしくなって歩き出すと、にわかに大雨が降ってきました。あわてて辻堂へ引き返すと、中はりっぱなつくりで、厨子の蒔絵には桜の幔幕、右の欄間には松に日の出、左には桐に鳳凰が描かれています。

旅商人が思わず手を合わせると、あたりに光が差し込んできました。桜に松に桐、そして坊主がそろったうえに大雨まで降ったとなれば、五光がそろうのも当たり前というわけです。

成立と背景

花札の役のひとつで、松、桜、坊主(すすき)、雨(柳)、桐という、それぞれ二十点の絵柄がついた五枚の札をひとりですべてそろえてとることを「五光」と呼んでいます。とても縁起のよい役だとされています。

上方に伝わる噺だとされています。別の演目である「いが栗」とは、旅人が道に迷って山中の一軒家に泊まるところまで、筋立てがほぼ同じになっているといわれます。そこから先の展開だけが異なります。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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