落語の演目

雁とりがんとり

滑稽噺八五郎和尚

別題: 雁つり、翌とり

不忍池の雁を腰に結んだ男が、飛び立った雁に空へ持ち上げられる話。

あらすじ

何かよい金もうけの方法はないものかと、隠居のところへぜひにもと相談に出かけていった八五郎は、夜のうちに不忍池へ行って雁を捕まえて売ればよいのだと教えられました。

そこで八五郎はさっそくその日の夜のうちに、ひとりで不忍池へこっそりと忍び込み、二、三十羽もの雁をつかまえては、自分の腰のあたりにひもで次々と結びつけていきました。

ところが、そのうちの一羽の雁が目を覚ましてしまったからたまりません。雁たちはいっせいに飛び立ち、腰にくくりつけられていた八五郎まで一緒に空高く舞い上がってしまいました。

そのうち帯がだんだんとゆるんで雁が一羽ずつ抜けていき、八五郎はとうとう空から真っ逆さまに落下しはじめます。それでも運よく、五重塔のてっぺんにしがみつくことができました。

これを見つけた通行人が騒ぎ出し、寺の和尚が出てきます。和尚は坊さんたちに布団の四隅を持たせ、その布団の上にやわらかい火口を敷いて、八五郎に飛び降りさせることにしました。

八五郎が飛び降りたとたん、布団がすぼまったせいで四人の坊さんが鉢合わせしてしまいました。目から飛び散った火花が火口に燃え移り、そのまま八五郎はとうとう命を落とし、焼け死んでしまう結末となりました。

成立と背景

原話は天明のころに三都の小咄を集めた『旧観雑話』に収められている「八坂の塔」という話だといわれています。東京では先代の柳家つばめがこれを得意にして演じていました。

大阪でこの噺を演じる型には、落ちにもう一つ別のものが古くから伝わっていて、次のように結んで終わることもあるといいます。「四人の坊主がコッコッコッコッと死んで、一人助かった」

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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