踏台ふみだい
別題: 踏台筋
心中を装って女の本心を試そうとした男の、仕掛けが露見する話。
あらすじ
質屋の主人が、講武所の芸者である美代吉に心を寄せ、身請けをしたいと考えますが、女の本心が知りたくて、出入りの江戸屋という男に相談を持ちかけました。
江戸屋が入れ知恵をします。「上野清水堂のサクラの木で首を吊って心中することにして、私が五本目の木の下に黒い踏み台を置いておくから、その上へ乗って首をつるまねをしなさい。女が同じように首を吊ろうとしたら身請けを」
旦那が美代吉のもとを訪ね、心中しようと持ちかけると、美代吉もやむなく承知しました。
美代吉は一度家に戻ってばあやに相談します。ばあやも「踏み台をつくっておくから、その上へ乗って首をつるまねをしなさい。そして旦那が死んだら帰っておいでなさい」と入れ知恵をしました。
当日、二人はそれぞれ上野で踏み台を探し当て、その上に乗って合図を送り合いました。やがて旦那の声が聞こえなくなったので、美代吉はそのまま家へ逃げ帰ります。
そこへ旦那の声が追いかけてきました。「美代吉、美代吉」驚いた美代吉が「まよわずに浮かんでください」と返すと、旦那が答えました。「まよって来たのじゃない。踏み台がちがったから取りかえに来た」
成立と背景
「辰巳の辻占」という演目と似た趣向の噺ですが、演じ手が少なくなっていたといいます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

