近目の煮売屋ちかめのにうりや
作り話の手口をまねて煮売屋をだました男が、肝心の品を忘れる話。
あらすじ
喜六が清八の家を訪ねると、おかずを並べて上機嫌で飲んでいました。どうしたのか尋ねると、近所の煮売屋からただでもらって来たのだといいます。
清八は、屋台の向こう側に紙切れを落として金を落としたふりをし、近目の親爺がそれを覗き込むすきに背中を押してしゃがみこませ、そのあいだにさかなを持って逃げるのだと、冗談で種明かしをしました。
喜六はこれを真に受け、さっそく近目の煮売屋へ行って同じ手口を試してみます。
うまくいって、喜んで清八のもとへ駆け戻って来た喜六でしたが、「品物はどうした」と聞かれてこう答えました。「あッ、忘れて来た」
成立と背景
桂小文治から桂米朝に伝わる上方ばなしです。煮売屋は明治時代まで飲食もできる大衆食堂でしたが、大正以降はおかず屋を指すようになり、いまはほとんど使われない言葉になっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

