落語の演目

治部太夫じぶだいう

滑稽噺掛け取り浪人

居留守を使う浪人と、障子に穴を開けて確かめようとする掛け取りの話。

あらすじ

治部太夫という裏長屋暮らしの浪人が、隣の亭主に「借金取りがうるさいので家の中で寝ている。表から錠をおろしておいてくれ」と頼みました。

借金取りがやってくると、治部太夫は留守だといわれます。帰りしな、路地の入り口で用を足していると、「おとなりのご亭主、借金取りはもう帰りましたか」「いま帰りましたよ」という声が聞こえてきました。

中にいたなと察した借金取りは、障子に穴をあけて「治部太夫さん、そこにいるじゃありませんか」と呼びかけます。

中からは「いや、治部太夫は留守だ。弟の治部九郎だ」「冗談じゃありません」「なんだ、けしからんやつだ。武士の住まいはたとえ九尺二間の裏長屋でも城郭だ。町人の身で城郭を破るとは、ただではおかんぞ」という声が返ってきました。

仕方なく借金取りは障子をもとどおりに張り直し、「治部太夫さん、もとどおりになりましたよ」と声をかけます。

「穴を張ったら中は見えまいな」「へえ、少しも見えません」「見えないなら、また留守だ」

成立と背景

三遊亭円朝が高座にかけていた噺です。原話は安永五年に出た「高笑ひ」に収められている「掛乞」です。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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